ペット関連市場をM&Aの検討に使うときは、総額だけでなく、調査年度、対象商品・サービス、金額の集計方法をそろえて読む必要があります。市場が拡大していても、個々の会社の売上や利益、売却価格が上がるとは限りません。

公表されている市場規模

矢野経済研究所が2026年9月1日に公表した調査では、ペット関連総市場は小売金額ベースで、2025年度を1兆9,504億円の見込み、2026年度を1兆9,835億円の予測としています。2026年度の確定実績を示す数字ではありません。出典:矢野経済研究所「ペットビジネスに関する調査を実施(2026年)」

この調査の市場範囲には、ペットフード、用品、生体、医療・保険・介護ケア等の関連サービスが含まれます。飼育頭数の調査とは目的も単位も異なるため、異なる調査の数字を単純に足し合わせないことが大切です。

業態別に見る事業の確認点

ペットフード・サプリメント

商品別の粗利益、再購入率、定期購入の解約、製造・仕入条件、在庫の期限や返品を確認します。高価格帯の商品というだけでは収益性を判断できません。品質や健康に関する表示の根拠、対象となる法令も確認します。

動物病院・ヘルスケア

診療内容、来院の継続性、獣医師等の人員、オーナーへの依存、機器更新の必要性を整理します。新しい検査や治療の導入見込みと、現在の診療実績を分けて評価します。

トリミング・ホテル等の店舗サービス

予約稼働率、スタッフ別の売上、常連顧客、繁忙期・閑散期、賃貸借と必要な登録を確認します。動物のケアや安全を守るために必要な人員・施設費用も織り込んで検討します。

ペット保険

契約の継続、保険金の支払い、募集・管理体制を確認します。保険の引受会社、少額短期保険業者、代理店等では役割と規制が異なるため、同じ基準で比較できません。

ペットテック・EC・D2C

利用者数だけでなく、有料利用率、解約率、広告費、開発・保守コスト、データを使える範囲を確認します。技術や顧客基盤を引き継げるか、特定の開発者や販売プラットフォームへの依存がないかも検討します。

M&Aの判断に使う3つの視点

市場全体と対象会社の業績を分ける

売上の増加を、価格改定、販売数量、新規出店、既存顧客の購入回数などに分けて把握します。全国の市場拡大が、その商圏や商品群にも当てはまるかを確かめます。

現在の利益と将来の投資を確認する

一時的な収入やオーナー個人への依存を整理し、譲渡後も残る収益を考えます。設備更新、人員の確保、システム移行等の費用を見落とさないようにしてください。

制度・契約・運営体制を確認する

第一種動物取扱業の登録は、対象動物や営業内容により適用が異なります。ペット用品のみの販売まで一律に同じ登録が必要になるわけではありません。環境省の対象業種の説明を確認し、管轄窓口へ相談します。その他の許認可、契約、労務は業態ごとに整理してください。

売り手が準備できる資料

決算・月次資料、商品や店舗ごとの売上と利益、顧客数と継続率、在庫、人員、設備、主要契約を整理します。市場予測を強調するよりも、「自社で何が支持され、譲渡後にどう続けられるか」を根拠とともに説明することが大切です。

よくある質問

どの分野が最も成長していますか?

対象範囲や比較期間で結果が変わるため、一律に順位は付けられません。同じ調査内の定義を確認し、自社の対象顧客・商圏・収益性と照らし合わせてください。

成長分野なら高く売れますか?

市場の動向は評価材料の一つです。利益、負債、必要投資、人材、契約、買い手の計画等により条件は変わり、売却価格の上昇を保証するものではありません。

予測値と実績値はどう見分けますか?

公表日と対象年度、「見込み」「予測」「実績」の記載を確認します。年度と暦年、小売金額とメーカー出荷金額の違いにも注意してください。

会社・店舗の将来についてご相談ください

売却を決める前でも、事業の現状と大切にしたい条件からお話しいただけます。初回フォームへ顧客名簿や診療記録などの個人情報を記載する必要はありません。

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売り手の当センターへの相談料・着手金・月額費用・中間金・成功報酬は0円です。外部専門家費用、税金、登記等は別途確認します。買い手の報酬・契約条件は個別にご案内します。紹介・成約・譲渡価格を保証するものではありません。